みい太郎

ロストケアのみい太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

館観のタイミングが合わず残念な事に
配信でしたが…良い作品でした。

相模原の障害者施設の大量殺戮のモチーフかなあと思ってましたが高齢者の老いや介護をテーマにしています。
話の組み立てや演出、配役やセリフ。
良く出来ていましたし観た人の心に何か残る様に響く様に配慮もされてる。
斯波役の松山君も大友役のまさみちゃんも
魂が入った芝居をしていたし2人の対決シーンはリハーサルなしの本番ぶっつけだったらしくあの緊張が張り詰める感じが凄く良くでていた。松山さんはサイコパスに見えない様に芝居する事に注力していたらしいが…
親を殺した時点で普通の人であっても
壊れてるし、どこか狂うと思うのでそのラインを見事に演じておられました。
綾戸智恵さんのお婆さんも良かった(笑)
戸田菜穂が唸る感じで芝居をしていて痺れたしなんなら彼女の斯波に対しての見解
『助けられたし、凄くいい介護士さんだった』のセリフから泣き出した(苦笑)し
裁判所のシーンの叫びなんか…切なかった。
(ファンが故のフルネーム呼び捨てが常なんですみません💦)

私自身が高齢者関係の仕事を20年近くしてきた事もあって施設や在宅介護の現実や介護職員の現実を目の当たりにしてきているので
少しファンタジーを感じる。
(鍵を預かるとか通夜に行くとか…一般の方が当たり前と思われるのは違うかなと感じる💦😅)反面リアル過ぎる点もある。
現実に穴に入ってしまい家族の呪縛からにっちもさっちも行かず貧困で苦しくて辛い介護生活をしている方々や誰にも助けて貰えないひとり高齢者が大勢現実に存在する事はとても染み入る様に表現されていた。
個人的には『真実はファンタジーと共に』は大好物なんで笑とても響く作品でした。

斯波の発言に戦争の正義が出てきたが
尊厳死を認めてない我が国。
本当に善良な弱者はいつも助けてもらえない国だなあと最近頓に感じる。
図々しい人は救われるけど声をあげない
引っ込み思案は苦しいので…
図々しくなりましょうよ。親の介護を他人に任せるのは悪ではないのですから…

まさみちゃんの社会派のドラマはワクワクするし応援心が大きくなる。
芝居で何かを変えようと本気でやってるから伝わってくる。
色々思う所はありますが
きっと皆が考えてくれる良き作品でした。
みい太郎

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