逃げるし恥だし役立たず

フォート・ブロックの決斗の逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

フォート・ブロックの決斗(1958年製作の映画)
3.0
大牧場の経営を夢見る青年が努力の末に成功を納めるが、やがて親友のため土地の顔役と対決する西部劇。雄大な景色や素晴らしいカットが随所にあり、アクションの演出も見事。
前半は功名心にはやる野心家の青年ラット・エバンス(ドン・マレー)の牧場経営が成功に至るまでの物語。向こう見ずで世間知らずで自分勝手な青年だが、友人トム(スチュアート・ホイットマン)と恋人キャリー(リー・レミック)と出会い、非常に真面目に働き続ける。後半は立身出世のために友人トムと恋人キャリーと別れて、銀行家の姪のジョイス(パトリシア・オーウェンズ)と結婚して順調に牧場経営を行い上院議員候補にまでのしあがる。
人生とは選択の連続であり、何かを得ると同時に何かを捨てる事でもある。ラットは故郷を捨てて友人トムや恋人キャリーを得て成功するのだが、更なる成功のために友人トムと恋人キャリーを捨ててしまう、だがラストには現在の自分と決別して友人トムや恋人キャリーのために名士イエフ(リチャード・イーガン)と対決する。
主人公ラットは無頼漢ではなく友情に厚く正義感があり真面目で好感が持てる。また成功した後でも昔の女と友人のために全てを捨てる事が出来る好人物だ。この西部劇には男として大事な行持が詰まっている。
時折入る人生訓も含蓄があり勉強になる。