ぺこらった

月世界旅行のぺこらったのレビュー・感想・評価

月世界旅行(1902年製作の映画)
3.5
ジュール・ヴェルヌ著 
地球から月へ(1865年)、月世界へ行く(1870年)
の連作小説を原作としているようです。
プロットは同じなものの、内容はかなり異なり、
小説の方では月へ行くまでの計画立てが物語の大半を占めていますが、
映画ではあっさり月へ飛び立ちます。

この時代で月へ行くという荒唐無稽な発想をひとつの
作品として完成させていることが今の感覚でも凄いなーと。
月へ行く計画を立てる時点での発射時の初速の計算や、
地球から月へ到着するまでの予想時間は
現代だからわかる実際の数値に近いものだというのだから驚嘆に値します。
それが後に「宇宙旅行の父」と呼ばれる
ツィオルコフスキー少年(当時)の愛読書になっているのだから
世に与えた影響力という意味でも極めて高いものと言えます。

と、ここまでは小説の評価で、
映画の方ではもちろん無声映画ということもあり、
そういう小難しい点はバッサリオミット(入れようがないですね)
月での探検、現地の月人、月の王との対決の末地球に戻るという内容です。
当時の映像技術での「やりたいこと」が詰め込まれていて、
声はなくても動きとエフェクトを見ているだけでも楽しめました。

地球に連れていかれた月人がかなり不憫…
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