何とも言い表せない気持ちになります。
二人、特に姉に降りかかる酷い仕打ちの数々。
やっと、無銭乗車ではなく切符代を払い座席を初めて確保することができ、車掌さんに切符を見せた後にニッコリ見つめ合う姉弟の何とも言えない表情(この子役さん達、凄いですね)。
暗闇に鳴り響く銃声。
夜が明け、霧の中で手を取り合って、駆け出す姉弟。
そして一本の大木に抱き付く二人。
それらが暗喩するものとは。
涙が溢れました。
辛い思いをして過酷な旅、しかも、おそらく見つかることのないだろう父親という幻影を探し続ける旅を続けるよりも、姉弟ともに、どこかで(それがたとえ天国という場所であったとしても)、ある種の安らぎを見つけることが出来た、或いは、二人で駆け寄って抱きつく程の何かを見つけることが出来たのだとしたら、それもひとつのハッピーエンドなのかもしれません。
ただ、、
こぼれた涙はやはり、心のどこかで、この愛らしい姉弟には現実的な意味で父親と出会ってほしいと、そう願っていたのだろうと思います。
この作品も、観る人の解釈に委ねられている部分が大きい作品ですね。
私は好きです。
余談ですが、弟のアレクサンドロスがめちゃくちゃ可愛いです。