てるる

おくりびとのてるるのレビュー・感想・評価

おくりびと(2008年製作の映画)
4.0
4444本目ということで、今回は「死」をテーマにした作品をチョイス。
実はまだ観てなかったシリーズでもある。

葬式は葬儀屋としか思ってなかったけど、納棺師というニッチな職業にスポットライトを当てる。

重いテーマを扱ってはいるけど、オープニングだけで笑いも交えた映画ということを見せる演出は秀逸。

「死」は誰にでも訪れるものだけど、決して悲しいだけのものではない。
しかし最期のお別れで今一度、生前の故人に出会えたかのように美しく整えてくれる人達。

でも世間一般からすると、何をしているのか分からない怪しい仕事でもある。

大学生の頃、死体処理のバイトに誘われたことがあるけども、高給だけどネガティブなイメージしか無かった。

そういう世間一般的なイメージもきちんと盛り込みつつ、納棺師の仕事を具体的に見せることで崇高なものというイメージに書き換えられた。

もちろん、主人公とその社長のように尊厳とプライドを持って仕事してる人だけではない。
劇中でも遺体を雑に扱おうとする業者も出てきたりする。

でもなんだろう。
主人公と社長の丁寧な仕事ぶりを見ているだけで涙が出てきた。
どんな人間でも死んでしまえば一緒。
後のことは他人に任せるしかない。

ふと自分の家族が亡くなった後のことを想像し、こういう人達に納棺して欲しいとさえ思った。

アカデミー賞など、受賞するのも頷ける良作でした。
てるる

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