浅野公喜

エイリアン/ディレクターズ・カットの浅野公喜のレビュー・感想・評価

4.2
実はちゃんと観た事が無かった1作目。同じリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」でも似たような事が言えますが、79年に作られたとは思えないクオリティの高さに脱帽。

コンピューターの画面やアンドロイドのシーンでダミーと本物の役者があからさまに切り替わっている所には当時の技術の限界を若干感じるものの、エイリアンそのものやセットや照明、アングルの完成度は非常に高く、特にハリー・ディーン・スタントンが一人猫を探しに行く辺りの場所のセットと光の加減は90年代2000年代の映像と言われても違和感が全く有りません。また、コンピューターの入力画面もフラッシュが一瞬入ったり細かい部分にも拘りを感じられるのがこの作品を名作と言わしめる理由の一つとなっている気がしますし、BGMは思ったより流れる場面が限られており、それが緊張感を漂わせるのに一役買ってます。

シガニー・ウィーバーの役も意外とキャーと悲鳴をあげたり完全な強い女というわけでもなく、かと言ってか弱いわけでもなく、強さと弱さを併せ持つリアルな人間らしさを持ったキャラで好感が持てますし、それは非現実的(=SF)な世界だからこそ際立っています。

前述の茶トラ猫のジョーンズ君はちょっとした清涼剤的役割を担っており「おいおい、やべーことになっちまったな」と言わんばかりの表情をとらえたどアップも用意。
浅野公喜

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