ちゅう

アキラ AKIRAのちゅうのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.0
人間の欲望のおぞましさと愚かさと儚さ


観る前になんとなくイメージしてた話と全然違いました😅
パッケージのバイクに乗った少年がアキラだとばかり思ってました笑

今リマスターが映画館で上映されてるんですね。
映画館に行けないのでネットフリックスで観てやりました😝


描かれているのは、作成された時(1988年)からみると近未来である2019年。
第三次世界大戦後に東京湾に埋め立てられて作られたネオ東京が舞台。


すごく有名な映画だとは知っていたんですが、1988年に観ていたらそりゃ度肝を抜かれるよなって思います。
今観ても度肝を抜かれました。


アキラって原子力のメタファーでもありますよね。
科学で制御できない力、解明したいけどできない。
巨大な力に対する憧れと恐怖がよく描かれています。
"使い方を選択しなければならない"という言葉は未だに僕たちに向けられているように感じますし、扱う資格がないものがいたずらに手を出して破滅を招くところなんて、原発事故そのままだったと思います。
そもそも力に対する欲望の核みたいなものを描いているから、原発事故でなくてもいつかは似たような破滅が起こった気がしますけど。


SFアニメ・漫画は攻殻機動隊が好きで、すごいなと思ってたんですけど、それより前にAKIRAがあったんですね。
僕は攻殻機動隊の方が"SF"としてはすごいと思うけど、衝撃度としてはAKIRAの方が大きかったです。
世界観とかアクションの完成度とかすごかった。
AKIRAがSFを含めてその後のアニメ・漫画に大きな影響を与えたのは納得できました。
ドラゴンボールとか影響受けてるような気がするんですけど、どうなんだろう。
アキラが入っている球体なんて、サイヤ人の宇宙船そのものに見えます。


こういう衝撃的な映画に2020年の東京オリンピック開催とか、非常事態宣言を発令するとことか描かれていると必要以上に意味を感じてしまいますね。
よくできた物語ってこういう引き寄せが起こるから、創作の力ってなかなか恐ろしいなと思います。
でも予言していたみたいに受け取るのは危険なので、僕はそうは受け取らないようにしますが。


新型コロナで危機的な状況の中、世界が滅ぶことを予感させる映画を観るのはなかなか不健康な感じがしますがこんなのも悪くはないですね😜笑
ちゅう

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