無駄の少ないよく出来たサスペンスホラー。
ベイビードライバーのエドガーライトらしく音楽がよい。
もちろんベイビードライバーみたいに派手に音ハメしてノリノリではないけれど、時に派手に時に抑制の効いた推進力として60年代オールディーズをうまく使っていてダレるところがなかった。
フィルマークスのあらすじにはタイムリープと書いてあるけど、それはちょっと違うんじゃないかと思った。
エリーの迷い込む世界は過去というよりはサンディをメインとする集合的な記憶の世界のように思える。
そしてこのサンディの記憶をエリーが引き受けるというところが、この物語の最も深いところだと思う。
快楽は脳内の化学物質のバランスで決まるが、幸せは記憶をもとにして築かれる。
記憶を粗雑に扱うものは幸せにはなれない。
都会で朽ちていった若者の記憶を背負うことでエリーは都会で生き抜いていけるだろうという説得感が非常に良かった。
エドガーライトだからということで何の下調べもなしに観に行って直前でホラーということに気づいたんだけど、めちゃくちゃ怖いっていうほどではなくて助かりました笑
主人公のエリー役、どっかで見たことあるなと思ったんだけど、ジョジョラビットのエルサなんだね。
なかなか良い役者さんだと思います。