Violet

エターナル・サンシャインのVioletのネタバレレビュー・内容・結末

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

『エターナル・サンシャイン』というタイトルと日本版ポスターから勝手にコテコテのラブストーリーを想像してたけど、フォロワー様にそうではないことを教えてもらい興味が湧いて鑑賞!脚本が秀悦でキャストも素晴らしくとっても見応えのある作品でした!🥺

その人の記憶を無くそうとしても、ほんの些細なことがきっかけでその人のことを思い出してしまう。そんな繊細な描き方がとても素敵で、特にPatrickがClementineに”Nice”と言った時の彼女の反応が印象的。
Joelの口癖だったNice。
彼との記憶を消したはずなのに、心に残るもやもや。何かを忘れてる気がするという感覚。Kate Winsletの演技が素晴らしく、彼女が感じる違和感を手にとるように感じることができた。

作中で登場するニーチェの言葉にもあるように、わたしも忘れることで前に進めることってあると思う。
けれど、それは時の流れにより自然と忘れることを指すのであって、きっと強制的に忘れるのでは意味がないのだ。

夢の中でJoelとClementineが必死に施術から逃れようとするシーンが忘れられない。
あとは凍った池の上で寝転ぶ2人のシーンが好きだなあ。米国ではこのシーンがポスターに使われているけど、絶対にこっちの方が良いと思う😤笑

あとキャストがめちゃめちゃ豪華でびっくり!Jim Carrey, Kate Winslet, そしてKirsten Dunst!!M.J.えええええええってなった!笑

▼タイトル
原題の”Eternal sunshine of the spotless mind”は、アレキサンダー・ポープの恋愛書簡詩「エロイーザからアベラードへ」からの引用である。「ロミオとジュリエット」の元ネタとして有名なこの詩は、修道女になると決意したエロイーザがアベラールへの想いを断ち切る悲恋の物語であり、男女の噛み合わない心という現実を教えてくれる。

How happy is the blameless vestal's lot!
The world forgetting, by the world forgot.
Eternal sunshine of the spotless mind!
Each prayer accepted, and each wish resigned.
(真の幸福は無垢な心に宿る。
忘却は許すこと。太陽の光に導かれ、
無垢な祈りは神に受け入れられる。)

作品を見終わってこの詩を調べて感じたのは、相手を「許す」ことの大切さ。
ただ記憶を無くして忘れるのではなく、許すことによって忘れること。
お互いの悪口をこれでもかと詰め込んだテープを聞いた上で、その悲しさや怒りを超えて得られた2人の結末。
きっとまた喧嘩して傷つけあうこともあると思う。けれど、この「許す」経験はこの先の2人にとって大きな希望となり得るし、わたし自身も「許す」ことについて思いを巡らせた。自分の中で最大級に怒っていたことがあったんだけど、この話はもうしない、と「許す」ことに決めたことがある。許すまではとっても大変だったのに、許したら心が軽くなった。そんなことを思い出した。

✂︎---メモ--------
意訳:
罪のない場所(修道院)にいられることは何という幸せ!
世界を忘れ、世界からも忘れられている場所(許しの存在する場所)
けがれのない心に宿る永遠の陽光(ひかり)
すべての祈りは答えられ、すべての願いは(神に)委ねられる

宗教的な詩で、神への賛美がうたわれている。エロイーザ=修道女とすると「Eternal sunshine」は神を比喩していると考えられる。
(https://eiganotomo.net/lovestory/1190)

▼My Best Quote
I could die right now, Clem. I'm just... happy. I've never felt that before. I'm just exactly where I want to be.ーJoel Barish

▼参考
Clementineの髪色の考察がとっても面白かった🥺
https://www.club-typhoon.com/archives/2020/03/31/eternal-sunshine.html
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