ミーハー女子大生

エターナル・サンシャインのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.3
いくら記憶を消したって、その人を愛した事実は絶対に消えないんです。
たとえ記憶が消えたとしても、引き合う二人はまた必ず出会うんです。

ジョエルとクレメンタイン。

衝動的で気まぐれで、自分にない感性を持つ彼女に惹かれて恋に落ちたのに、そんな気性の彼女との感覚の違いから喧嘩が絶えなくなる二人。
そう、時間が経つと相手の一番好きで惹かれてた部分が一番嫌いな部分になったりするんですよね。
そして二人は喧嘩する。
何度も何度も。
相手のどこが好きだったのか、出会った頃 どんなに愛し合っていたのかさえ思い出せない、そして思い出さないまま。

最初は直ぐに謝って直ぐに仲直りして喧嘩をする度にまたお互いを理解して更に距離が縮まっていたはず。
なのにいつの間にか少しずつ距離が出来ていく二人。

先に自分との記憶を消したクレメンタインの行動へのショックからくる怒りで
”僕だってお前の記憶なんか消してやる!”
と記憶除去手術を受けるけど、別れから出会いまで、彼女との思い出を辿るにつれて”消したくない記憶”ばかりだった事に
気付くジョエル。

『せめてこの記憶だけでも残したい・・・』

そう望むジョエル。

『消したくない・・・』

『中止してくれ!』

必死になるジョエルが切なくて素敵でした。

本当に辛い気持ちに支配されているとそれを受け入れられなくて、こんな事実、記憶、想いなんて消えてしまえばいい・・・無かった事になれば、記憶から無くなれば
この辛い気持ちも消えるはず。
そう思う事ってあると思う。

でも、出会い愛し合った事実は消えないし、消せない。
相手との記憶が無くなろうとも、一生懸命愛した事実もどうやっても消えない。
そして記憶が消えてもまた出会う。
記憶を消してもまた惹かれる。
喧嘩して、嫌になって、また揉めて、喧嘩して・・・
それでいいんです。

魂の奥底で繋がる二人ならいくら記憶が消えたっていくら記憶を消したって求め合いまた愛し合う為に引き寄せられるから。
ちゃんと仲直り出来る二人なら、喧嘩して揉めたって大丈夫。
それなら、老いと共に自然に消え行く記憶の中で、最後の最後まで大切に鮮明に記憶に残してもらえるように 一生懸命愛したい。
相手にとって 人生の最後まで記憶に残る自分で居たい。
そう思ってしまいました。

時間軸の移動が激しいこの作品。
他のレビュアーさんも書かれているように 2度目から更に鮮明に心に響く作品だと思います。

ストーリー 3
演出 3
音楽 3
印象 3
独創性 5
関心度 3
総合 3.3