Amazon primeにて見放題作品として配信されていたため、鑑賞。黒沢清監督作品第2弾。会社員の女性が働いている会社近くのビルに入っている別の会社の男性藤原になぜか惹かれてしまい、距離を縮める。しかし彼と距離を縮めていくと彼女の周りで不可解なことが次々に起こり始め巻き込まれていくという話。ストーリーは比較的分かりやすいと感じた。作られた年からしておそらくこの作品が黒沢清監督のこの先のホラー作品の礎となるような作品だったのだろう。映像は1996年の作品とは思えないくらい質が良くなく、ザラザラの映像だった。しかし、この作品はホラー作品なのでこのザラザラ感によってはっきり見えないといった不気味さやそのザラザラさゆえの怖さを出すことに成功していたと感じた。どういった結末で終わるのかと思えば、このストーリーを紐解く鍵は寄生虫だったというので驚きだ。まさか最後に寄生虫の話になるとは。日本のホラー作品で寄生虫のような不気味な生物によるホラーは珍しい(外国映画ではエイリアンのような事例がある)ので新鮮だった。またそれ以外のホラー演出も他のホラー作品とは一線を画していると感じた。途中に複数人出てくる女や藤原について調べようとする人を襲う女たちが調べた人を集団で襲うといったシーンは言いようのない怖さのようなものを演出することに成功していると感じた。演出を楽しめたし、何より作品も楽しむことが出来たが黒沢清監督の変化を楽しむためにもう少し他の作品も鑑賞して楽しみたいと思う。