あおや

ダーティハリー4のあおやのレビュー・感想・評価

ダーティハリー4(1983年製作の映画)
3.6
“Go ahead, Make my day”

シリーズ4作目はイーストウッド自身がメガホンを取る主演監督作品。前作から7年、見た目においては着実にイーストウッドの老いが感じられる。

“お前は歩く戦闘地域だ”

いっけん首を傾げてしまうような言葉だが、1作目からみてれば「まさに」と言わざるを得ないだろう。冒頭から変わらずの暴れっぶり。シリーズを通してだが、前半で必ずといっていいほど集団相手に44マグナムをぶっ放すこの流れはむちゃくちゃながら好きだ。

さて、本作ではシリーズ初めてといっても過言ではなかろう美人が登場してくる。この美人の復讐劇、相対するキャラハンという分かりやすい図式になるかと思いきや、物語は意外な顛末に。
前作までのシリーズでは、相棒が死に、上司(組織)が事件をかき乱し、最後はキャラハンが悪を殲滅。といったお決まりのパターンが定着しつつあったが、本作はひと味違う。法の中においては手段を選ばずに悪を殲滅するダーティ・ハリーが初めて“赦し”をみせるのだ。シリーズ2作目では同じような形で法外の殺しを許さなかったキャラハンだけに、この赦しは実に意外であり印象に残った。
そして1作目以来のマグナムでの決着はやはりしっくりくる。個人的シリーズ最高傑作である。
あおや

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