ぽち

ブロークンのぽちのレビュー・感想・評価

ブロークン(2008年製作の映画)
1.4
前作はキャラの良さで楽しめた。今作ではホラーで意外な結末を売りにしたかったのだろうが完全に不発。

写真家出身の監督なので映像は普通に撮れているのだが、ストーリーがあまりに素人臭い。脚本は書かない方がいいだろう。

事故で一時的な記憶喪失と言うところで、オチまで完全に読めてしまう。
だいたいこの「実は自分が悪役だった」ってプロットはフィリップ・K・ディックの超名作短編「にせもの」のほとんどパクリだ。

それに前半のミラーウーマン(鏡から出てきた自分ね)の行動にもミスリードを誘うために無理がありすぎる。
他のミラーマン達は出てきて元消去に直行してるのに、なんで彼女だけわざわざ職場に行って仕事する振りしたりしてるの?ウロウロせずに家で待ってろよ。

脚本の甘さや素人臭さ、もろパクリで基本的にダメ。
きっと監督本人はパクリではなく「お!いいアイディア浮かんだぞ!」って感じで、ノリノリで書いたのだろうが、これは単なる不勉強と言えるだろう。

ってことで、監督はディックの「にせもの」の超感動的な最後の一文
「その爆発は、遠くアルファ・ケンタウリからも見えた」
で感動してから出直してきなさい!

余談。
その「にせもの」は2001年に「クローン」という題名で映画化されている。
監督ゲイリー・フレダー、主役ゲイリー・シニーズ
主役のゲイリーは良い演技で雰囲気も良かったのだが、なんと最後の一文を映像化しなかった。
これほどラスト数秒で脱力した映画はない。

ホント数秒でいいんだよ、アルファ・ケンタウリの衛星に繁栄している都市の夜空を一瞬光が覆うシーンを何で入れなかった。

カツだと思って食べたらコロッケだった・・・・・・ってぐらい脱力した。
ぽち

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