らんらん

この天の虹のらんらんのレビュー・感想・評価

この天の虹(1958年製作の映画)
4.0
北九州にある”鉄の都”八幡製鉄所、ここに住む人々の暮らしを描く

冒頭は10分くらい八幡製鉄所とその周りの施設案内、広大な土地、巨大な工場、何万もの人々が働いており、社宅や娯楽施設など設備も充実、さらに発展させようと様々な拡張を図っているとか、、、

そんな都を舞台にメインとなるのは久我美子、高橋貞二、田村高廣の三角関係
高橋貞二は久我美子が好き、久我美子は田村高廣が好き、田村高廣は何も考えてないw
その3人に加えてデビュー作らしい川津祐介の出番が多い作品

脇役も充実していて
久我美子の家族に織田政雄、岡村文子、大木実
高橋貞二の母で浦辺粂子、田村高廣は須賀不二夫&小林トシ子宅に下宿
高橋貞二の結婚の仲介役で笠智衆、その妻田中絹代、息子に小坂一也
田村高廣のお見合い相手で高千穂ひづる
メインは上述の4人なんだけど、他の人たちもなかなか出番の多い群像劇風です

感想!
ドラマ部分だけだと大した映画じゃないと思う、よくあるお話
それが八幡製鉄所を舞台に、ってのが大きい
当時の風景だったり雰囲気が凄い感じられてなんかドキドキ、音楽とか色鮮やかなカラーもあるんだろうけどなんか見入ってしまった

そりゃ今の目線で見ればとてもとてもいい環境には思えないよ
町はお世辞にも綺麗じゃないし、社宅なんかも狭そうだし、病院もボロいし、働く環境は過酷だし、空は年中煙がモクモクで体に悪そうだし、、、
でも当時では、それでも夢があったんでしょうね、天に虹がかかるくらいの

今ってどうなってるんだろう?って思っちゃうよね、調べちゃうよね
八幡製鉄所って聞いたことはあったけどそれだけだったもん
調べたところ現在もちゃんとあるんだって!でも当時の風景、建物、公園、駅なんかも何もかも変わってるんだろうなーって思う
そしてそこに働く、住む人々の意識も違うんでしょうね
なんかしみじみと考えちゃう、その点では当時の風景を記録したこの映画は貴重だなーって、、、

んーー評価悪くないんだけど、なんか大した感想出てこないw
ドラマ部分で個人的に良かったのは、、、久我美子が悩んだ末に結婚相手をどちらにするかってところ、やっぱそうだよねーって絶対そっちのほうがいいもん
気になるのはブラジルってどうなん?って点だけ

あとは家出しようとする小坂一也と出くわした時の笠智衆と田中絹代のシーンも良かった
その後の田中絹代が駅で語るシーンも印象的
あんないい両親いたらそりゃ改心しますよねー

最後に、、、この過酷な現場での作業員ですら100人の中から選ばれるとかいう物凄い倍率だったらしい
当時と比べるのもおかしいけどそれに比べたら現代人って幸せだよね、これに比べたら職場の色んな不満とか些細なことに思えちゃうもん、なんかズレた感想な気もするけどw
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