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みれんの一のレビュー・感想・評価

みれん(1963年製作の映画)
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池内淳子を取り囲むタイルが比喩でも何でもなく破壊される若干バカバカしいOPに始まり、その悪夢の向こう側に覗いたグズついた現実を延々見せつける。弱さとその裏返しの図々しさが顔に張り付いている老けメイクの仲谷昇に、若さと表現するには頼りない上半身を披露する仲代達矢。達矢だけが選択の必要を感じて一人相撲。あのダサズームひさびさに見た気がする。ほとんど声だけしか現さない岸田今日子は、部屋干しのワンピースで不在の存在を主張する。今日子的だし霊的である。最後は完全に成瀬『乱れる』のパロディかと思ったが、こちらのほうが先だった。どうでもいいけど浜田寅彦の顔パネルいいな。
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