松原慶太

転々の松原慶太のレビュー・感想・評価

転々(2007年製作の映画)
2.9
メインとなるロードムービー的なプロットはおもしろい。ロケハンに時間を掛けたと思われ、東京の街並みも、吉祥寺、調布、新宿、浅草と、狭いエリアにもかかわらず、旅情と郷愁を感じさせるものになっている。雰囲気はいい。

ただ、三木監督の個性でもあるんだろうけど、楽屋落ち的な小ネタが多過ぎて、物語の輪郭がぼやけてしまっているような気がした。

たとえば(ほとんど物語のキーとなるくらい繰り返し出てくる)岸部一徳のくだり。岸部一徳がチラッと出てくることで醸し出される可笑しさみたいなものは、これ外国人は理解できないですよね。同様に10年後の日本人も理解できないと思う。
麻生久美子のシーンも「時効警察」みてないと意味分らないし、もっというと、見ていたからといってとくに意味のある登場でもなかったと思う。

こういう、へんな楽屋落ちで表現の幅を狭くしているのはどうなのかなぁ...。
松原慶太

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