人と思い出話をしていると、自分達にはまるで映像を観てるかのように当時の記憶が蘇ってくるってことは良くあると思う。
普通の映画なら思い出の部分を「回想」という別の映像を組み込んで描くことが多い。
ところが、リチャードリンクレイター監督はさすがの手腕でそれをあえて会話だけで描いてみせて、唯一の映像を提示せず観てる側の想像でそれを補うように作られてる。
だから、登場人物は三人で舞台はモーテルの一室という限られた場所なのに、振り返ってみると別れた元カノの反応や彼らの高校時代の関係等 映像として映されてない”シーン”も鮮明に思い出される。
規模の大きい映画と異なり、日常的な感覚に近いセンスをもって描かれているため、独特の臨場感とリアリティがあってサスペンスを感じた。