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トガニ 幼き瞳の告発のkanegon69のレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.5
とんでもなく腸が煮えくり返る話である。あり得ない!

実話をベースにした映画。舞台は韓国の地方都市ムジン。聴覚障害者や知能障害者も預かる福祉施設で事件は起きる。ソウルから新任で美術教師として赴任した主人公。子供達の顔にあざがあったり、女子トイレで叫び声が聞こえたりするのを目の当たりにして不審に思い、探りをいれていく。すると驚くことに学校ぐるみで少年・少女への強制わいせつ、暴力が日常化していた、、、

本当に人間はここまで醜い事ができるものだろうか。子供を預かる身でありながら聴覚障害者であることを利用して幼児への性的暴行の毎日。本当に吐き気がする。韓国の警察・検察・弁護士・裁判官もこの映画の中では腐りきっている。買収に示談に、次々に弱みに付け込む。そしてあり得ないことに主犯3人は執行猶予で釈放されてしまう。

この映画が2011年に公開されたのをきっかけに事件が再検証され、障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待を厳罰化と公訴時効を廃止する法律、通称「トガニ法」が制定される。この映画の果たした役割の大きさを感じるとともに、この映画がなかったら加害者が平然と暮らしていたかと思うとゾッとする。
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