ユミコ

女のみづうみのユミコのレビュー・感想・評価

女のみづうみ(1966年製作の映画)
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原作は川端康成さまの「みづうみ」。
良い意味で人間離れしている茉莉子さま。
のっけから、えっちいシーン。全編にわたってそのシーンはかなり多め。
でも、えろくない(と私は思った)。
いつもの無表情な茉莉子さま。他の女優さんがこれを演じようものなら相当な役作りを要するところでしょうが、茉莉子さまは素のまま(なのだろう)。

茉莉子さまのお美しさを堪能するだけの作品ではなく、ストーリーもシッカリくっきりある。
不倫関係の恋人がホテルで茉莉子さまのヌード写真を撮ったが、そのネガを盗まれてしまう。後日になって、盗んだ男が茉莉子さまに脅迫電話をかけてきて、茉莉子さまに会いたいと…。金銭目的ではなく、茉莉子さまとかかわりたいらしい。茉莉子さまは何とかネガを取り戻したくて、その男と会う決心をする。恋人は心配で、茉莉子さまを尾行する。茉莉子さま、一体どうなる?!
…なお話。

静かな作品なだけに、波の音や、電車のガタンゴトン音が常に、ラストの瞬間までずーっと耳に入ってくる。
茉莉子さま演じる主人公の、男を骨抜きにする美しき狂気が、あからさまにではなく、じわじわと染み込んでくる。
しかし、浜辺の廃船の中での男との絡みなんて、話しだけ聞くと、超えろい描写と思うところだけれど、何故こうもえろくなかったのか。
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