ユミコ

夜の素顔のユミコのレビュー・感想・評価

夜の素顔(1958年製作の映画)
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マチ子さまが、突然あの世へ召されてしまった…。マチ子さまの代わりなんていない。だからこそ今まで以上に女優・マチ子さまという存在の尊さを強く噛みしめながらこの作品を鑑賞させていただきました…。
フォローさせていただいている方が去年レビューなさっていて、とても興味深い内容に惹かれ即clipしていた作品だし、憧れのマチ子姐さまがヒロインだし、堪らなく観たかった。観終えた今、あまりにもマチ子さまの全てが強烈で、もう放心状態!

のっけからお美しいお着物姿のマチ子さまの舞台のシーン。ドキドキ胸が高鳴る。そして一転、ラバウル小唄にのせてハワイアンコスチュームで踊るマチ子さま。フォローの方も書かれていましたが、ここでマチ子さまのブヨ〜ンと音が聞こえそうな二段腹(失礼しました…笑)に釘づけに。それでもやっぱりチャーミングなんだなぁ〜♡
日本舞踊に人生の全てを捧げ、さらに高みを目指す朱美(京マチ子さま)は、田舎から終戦直後の東京にやって来て、小村流の家元、志乃(細川ちか子さま)を頼って、ヨレヨレの身なりでひたすら頭を下げていた。不憫に思った志乃は一度は朱美を追い返したものの、弟子入りを容認。そこから朱美の快進撃が始まった(マチ子さまがあまりにセクシーだから、えろ仕掛けでのし上がっていく様ばかりが私には強く印象に残ったが )。朱美は着々と前進し、頭角を現していった。朱美の提案で催された舞台の評判は、志乃は老醜、朱美はなかなか良いではないか!だったものだから志乃は怒り心頭。更に朱美は志乃に対し、決定的な裏切り行為をし、そして破門に。でも志乃から奪ったパトロンの力で朱美は菊陰流を立ち上げた。そこでの弟子の一人として比佐子(若尾あややさま)が登場。トントン拍子で物事が進み、ニンマリな朱美だったが、そこから先は、これまで自分が志乃にしてきたような、自分が志乃側と同じ運命をたどる羽目になってしまうとは想像だにしなかったはず。しかも信頼する弟子の比佐子によって…。

もう見どころが多すぎて書ききれないのだけれど、特に心を打たれたのは…
・落ちぶれた門付の唄と、それを見つめすっかり感傷的になってしまった朱美の物憂げな表情。
・朱美と絹江(浪花千栄子さま)の、互いの醜態を晒し合うかのような壮絶バトル笑
とりわけバトルシーンは凄すぎてついついしつこくリピしちゃった笑 超コワいマチ子さまだけれど、彼女に太刀打ち出来る唯一の女は千栄子さまだけ! 千栄子さまの、タバコを持つ震えたおてては、マチ子さまの鋭いお眉のラインくらい目を引いたし。マチ子さまとあややのお二人が主役なのに、私の中ではマチ子さまと千栄子さまになっちゃった。天国のマチ子さま、この気持ち、わかってくださいますよね?!笑
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