ユミコ

フェリーニのローマのユミコのレビュー・感想・評価

フェリーニのローマ(1972年製作の映画)
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何度観ても「飽き」がこなさそうな映画。
第二次世界大戦下の1940年代と、この当時の「現在」である1970年代のローマが描かれていた。でも、ローマの素晴らしさや美しさのPRとか、観光案内ビデオとは程遠い。笑

フェリーニ監督さまの頭や心の中のローマに対するさまざまな深い思い〜雑念までを寄せ集めたかのようなものだった。彼の頭のフタを開けて掘ってみたらうじゃうじゃ出てきたカケラを繋ぎ合わせて映像化したのがこれ。みたいな。

断片を繋ぎ合わせるという意味では、ミュージシャンにもそんな作曲法のお方がいる(常に浮かんだフレーズをハミングしたものを録っておき、後にそれらをあちこち繋ぎ合わせて1つの曲に仕上げる)。それに、サザエさんアニメも1つのテーマに合った4コマ漫画を繋ぎ合わせたもので、その全体を見ると、ストーリーは有るようで無かったりする。それって面白い。

高級娼館での「女の子」たちは皆んな分厚い体でたくましく、分厚い化粧だったし、おばさんばかり?だったのがキョーレツ…笑
狂怪… いえ、教会ファッションショーは奇抜で斬新でシュールで、トリ?は後光が差して(笑)いた。
こんな感じで、観ていてとっても面白い。

私の場合、例えば毎日の仕事を終え、疲れてホッとひと息ついた時、映画でストーリーを追うのはさらに疲れるタイプ。それで、多くのPVやMVみたく、特別セリフもストーリー無い作品を観ていたくなる。だから最初は知らずに本作のストーリーを追おうとしたけれど、2度め以降はその必要はないだろうと知り、ますます観ていたくなった。以前、ゴダール監督さまの「たのしい知識」を観た時も、たのしいものではなかったけれど好きかもしれないって思えた。そんな感じでこの「ローマ」も好き。しかもこちらは、観ていて楽しい。

この作品同様、断片を繋ぎ合わせたような文章になってしまいました…笑
そもそもこの作品を、観たい!って思ったきっかけは、フォローさせていただいている方の素晴らしいこのレビュー内容に惹かれたからです⬇︎
https://filmarks.com/movies/2065/reviews/41718464
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