ユミコ

NY ANNIVERSARY LIVE! ビリー・ジョエル「ライブ・アット・シェイ・スタジアム ザ・コンサート」のユミコのレビュー・感想・評価

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フォローさせていただいている方が昨日、音楽ライヴ映画の大変素晴らしいレビューをなさっていたので、私も何か音楽ライヴ映画を観たくなり、そして見つけたこの作品は、NYのシェイ・スタジアムという球場が取り壊される際の、ラストを飾ったビリー・ジョエルの2008年に行われたライヴの映画(ここでの初ライヴは1965年のビートルズだった)。ビリーを観た(聴いた)のは本当に久しぶり。とは言っても、リアルタイムではなく完全に後追い。数年前かなり夢中になって聴いていた。以前、音楽系の超格安の古いソフトが売られていた時、適当に何人かのアーティストのものを数本買った中の1つに過ぎなかったけれど、その1つであるビリーの「Live from Long Island 1982」の1曲目だった「Allentown」を聴いてすっかりハマっちゃった。多分この曲は既にどこかで耳にしたことがあった。でもスタジオ録音のほうだったはず。ソッチよりコッチのが断トツで良かった!スタジオの方のは曲風上なのか声にエフェクトがかかっているのか、ヴォーカルもピアノも奥まって聞こえてしまっていたから、鮮明に声と楽器の音が聞こえてくるロングアイランドライヴのほうが圧倒的に素晴らしいと感じた。彼のそのライヴは私にとって完ぺきだった。その後ビリーの他のライヴ映像を探し出しては年代を問わず片っ端から観ていき、やがてヤンキースタジアムでのライヴ映像を観た時は、正直ガッカリだった。雑で荒削りな印象、歌もピアノも繊細さが消えていた(感じ方は人それぞれだけれど…)から。それ以降は、気づけば彼を聴かなくなっていたのだけれど、今回は久々の彼だった。まず不安の方が大きかった。何故って、ヤンキースタジアムは90年代だったけれどコチラは2000年代だから、更にお年を召されているわけで…。でもでも、いざ観てみたらヤンキースタジアムライヴより断然コッチが素晴らしかった!彼は繊細さを取り戻していたから。やっぱりビリーだなぁ〜。70〜80年代よりも、ライヴで見せてくれる彼の笑顔も増えていたし、大人のゆとりを感じられる深みを増したピアノ演奏(ミスタッチはご愛嬌)、セトリも良かった。ビリー・ジョエル健在!それとサックスのマーク・リヴェラも今もバンドメンバーでいらした事にも感動!ロングアイランドライヴでも目立つ存在だった彼だし。そしてこのライヴ、ゲストが超豪華でそれぞれ素晴らしかった!トニー・ベネット、ガース・ブルックス、ジョン・メイヤー、ポール・マッカートニーですから…!

本作は70〜80年代前半のビリーのステージに比べると(ついつい比較してしまう…)多くの管、弦が加わって充実してはいたが、私はそれが好きくなれなかった。ロングアイランドライヴではシンプルな編成で、ビリーの声とピアノが手に取るように聴き取れていた(バンドの各楽器の音もね)のに、こう大所帯だとブ厚すぎてスグお腹いっぱいになっちゃった…。(やはり82年のロングアイランドのライヴは私にとっては最高!どれを聴いてもト・リ・ハ・ダ!)
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