ノッチ

ソウ ザ・ファイナル 3Dのノッチのレビュー・感想・評価

ソウ ザ・ファイナル 3D(2010年製作の映画)
3.5
ジグソーの元妻、ジルに仕掛けられた罠を抜け出せる事が出来たホフマン刑事は、ジルへの復讐を誓う。

また、ジグソーのゲームから生還したとして、テレビや本を出版して大衆から人気を博していたボビー・デイゲンは、本当にジグソーのゲームに参加させられる。

アメリカのハロウィンで恒例となった『ソウ』の7作目にして最終作(だった)。

ただただグロイ。

刺さったり、ちぎれたり、溶けたり、すぱっと切られたり、 目つき、喉つき、腹割り、歯抜き、蒸し焼きとか、そんなのばっかり。

シナリオに関しては、もはやただの殺人鬼と化した男がひたすらに自分を守る為に邪魔者を排除していく感じでした。

うん、いろんな人があっけなく死んでいきます。

まぁストーリー性の破綻には例のごとく目をつむり、スプラッターエンターテイメントとして観るのが正しい。

最終作だけあって、過去のいろいろな出来事が絡んできて、いろいろな人物が登場してくる。

そして、ループを決めようとするかの様にして原点である第1作へと還っていく。

その物語の構成はうまいと思った。

ただ、1作目から非常に事件性の高いドラマから始まって、途中でスプラッター色が強くなり、後半持ち直した感じがするけど・・・。

ファイナルに関しては、ちょっと強引かなって思った。

醍醐味であるソリッド・シチュエーション・スリラーが消えてた様な感じもしたし・・。

ソウシリーズの人気には不条理かつ複雑な殺人マシーンにあって、冒頭からド肝を抜く残酷描写が用意されているのがお約束。

でも、いくらなんでもファイナルだからといって今回のプロローグは少しやりすぎ。

そもそも、いつ誰が、どうやって複雑の装置を作ったのかという疑問は第1作目からあるのだが、それは人目のつかない密室だからこそ許せた。

しかし本作のプロローグの殺人は公衆の面前で行われている。

ストーリーの中での殺人の必然性よりも、いかにして手の込んだ方法で処刑するかばかりに目がいくようになったシリーズの悪しき経緯を思わせるものでした。

ただ、『CUBE』とかも含めてソリッド・シチュエーション・スリラーというジャンルをつくり、金字塔を立てた作品という意味では、大変評価に値する作品だと思います。
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