磯野マグロ

風の中の子供の磯野マグロのレビュー・感想・評価

風の中の子供(1937年製作の映画)
3.9
清水宏はいつもやさしくてスマート。もちろん風俗も景色もまったく昔のものなんだけど、戦前の日本ってこんなにスマートだったんだ、と思わされてしまう。日本が思ったよりスマートな側面を持っていたのか、清水の映画の中だけがスマートなのか、わからないけれど。
最後の、父親が帰ってきたときの兄弟の喜び方がとっても好き。あちこちから顔だして、最高。
三平がどんなにいたずらをして迷惑をかけたとしても、親は預け先に謝ったりはしないし、先様も謝らないことを気にしたりもしない。これって、いまの日本では考えられない。自分だったらぜったいに「ご心配を(お手数を)おかけしてすみませんでした」とか謝ってしまうだろう。
謝罪についての考え方が違うのかな。やたらに謝る、謝らせる文化、他人に迷惑をかけることを極端に嫌い、気にする文化はいつごろはじまったんだろう。
201
磯野マグロ

磯野マグロ