風の中の子供の作品情報・感想・評価

「風の中の子供」に投稿された感想・評価

なぜこんなに子供を瑞々しく描けるんだろう。小津にしても、この時代の日本映画の子供の描き方には魔法がかかっているとしか思えない…。
shogo

shogoの感想・評価

3.5
喧嘩しても仲直り。

子供が作品の比重を占める割合が高い作品。彼らの目線で丁寧に描かれていて、童心に帰ったような気持ちになれる映画。
父、母(吉川満子)、小学生の兄弟がいまして
父は会社を経営する社長?母は良き妻良き母
兄は成績優秀だが、弟はというととにかく腕白でみんなを困らせる

ストーリーはそんな平和な家庭に起きるアクシデント、父親が部下たちの陰謀により会社を追放され、捏造された不正疑惑で警察に長期拘留されてしまう
一家の長を失った家庭は困り果て、弟三平はおじさん(坂本武)の家でやっかいになることに

もともと腕白な三平はそこでも数々の騒動を起こし、おばさん(岡村文子)は手に負えないと実家に突き返してしまう
旦那は帰らないし子供は困らせるしで困った母吉川満子は死んじゃおうかくらい悩むんだけど、ふとしたことで旦那の無実を証明する書類が見つかってめでたしめでたし

なんてストーリーは一応あるけど、メインとなるのは子供達、特に弟の三平の目線のお話
おじさんの家に引き取られても家や兄、母が恋しい
いたずらをすれば返されるかも?みたいなのもあって様々なことをしておじさんおばさんを困らせる
帰らされたら帰らされたでお母さんは困り果てるし、、、小学生1年とかじゃ無理もないですよねー

そんな子供の微妙な心の描き方が上手い
タイトルに「子供」ってある時点でそんな映画な気はしてたけど、清水宏って子供が印象的な映画多いですよね
「蜂の巣の子供たち」シリーズなんかはもちろん「次郎物語」「母のおもかげ」とか

この映画で印象的だったのが子供たちの世界の微妙な力関係?みたいな
もともとお父さんが社長?で三平が腕白なのもあるんだろうけど、最初のほうは子供たちのリーダー、ガキ大将的な位置にいる
ターザンの叫び声を真似して歩くなんてのもおそらくガキ大将の特権?的なものかと思う
それが父親が逮捕されてからは逆転、近所の子供たちからハブられてターザンの叫び声も奪われる

この辺の細かいところなんかすごいと思う
大人にはわからない子供たちの世界をうまく表現してるかと

なんだかんだラストはハッピーエンドな点も良かった、都合がいい気もするけど後味悪いよりは全然マシ
三平の数々の騒動も笑い話のネタになるし、父親との相撲のシーンで子供たちが泣きながらとってるのも良いですよねー

振り返ればそんなこともあったわねぐらいの不幸、現在が幸せだからこそ笑える
不幸なこと自体ないほうがもちろんいいんだろうけど、それを乗り越えてこそ日常の生活の有り難みがわかるみたいな、そんなお話
shibamike

shibamikeの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「あーああーー!」

と、子どもがターザンの声真似をすると、町中の子ども達が一斉に集まってくる。
大勢の子ども達が集まってもすることなど特になく、無目的に全力で走って駆け回るだけである。
全力で駆け抜ける子ども達はそのときまさに風であらう。
自分にもああいう時があったと思った。走り回るだけで愉快で、屈託なく笑っていた頃。

父親が犯罪容疑で拘束され、仲良し兄弟の弟が親戚?の家へ預けられる。ヤンチャ盛りの弟君は危険な遊びばかりして、周囲の大人をヒヤヒヤさせっぱなし。

そんな無邪気な弟君も家庭の切迫した事情の前に無邪気でいられなくなる。しかし、彼の願いは以前のように家族みんなで暮らしたい、この一点だけであり、「僕、何でもお手伝いするから!」と哀願するところなどはうるっと来た。

大人の事情や世間の都合など、子どもにはどうしようもない風に翻弄されるも、最後には父親が帰って来て、子ども達がまた風の子となって、ターザンごっこで元気に駆け回るという、ハッピーエンド。
清水宏はいつもやさしくてスマート。もちろん風俗も景色もまったく昔のものなんだけど、戦前の日本ってこんなにスマートだったんだ、と思わされてしまう。日本が思ったよりスマートな側面を持っていたのか、清水の映画の中だけがスマートなのか、わからないけれど。
最後の、父親が帰ってきたときの兄弟の喜び方がとっても好き。あちこちから顔だして、最高。
三平がどんなにいたずらをして迷惑をかけたとしても、親は預け先に謝ったりはしないし、先様も謝らないことを気にしたりもしない。これって、いまの日本では考えられない。自分だったらぜったいに「ご心配を(お手数を)おかけしてすみませんでした」とか謝ってしまうだろう。
謝罪についての考え方が違うのかな。やたらに謝る、謝らせる文化、他人に迷惑をかけることを極端に嫌い、気にする文化はいつごろはじまったんだろう。
201
父親の「世間体を気にしないのが子どものいいところじゃないか」という発言を引き金に、世間体によって息子二人を抑え込もうとする別の家の子供が現れる。大人の事情のせいで離別と災難に遭う子どもの話。悲惨さは抑えられているけど、『自転車泥棒』に先んじてる感もある。

夜の家の蚊帳のこちらと向こうの切り返し、オリンピックごっこを映す時の障子の使い方、木登りのときに子どもの視点をカメラに収めない寡黙さ。何を映して何を映さないかの選択が鋭く決められているように感じる。清水映画お馴染みの橋は今作だと四種類くらいでてくる。

冒頭近くの嫌味を言われるたびに次男が頭をかくシーンが好き。
sacchinn

sacchinnの感想・評価

4.2
父が逮捕され、わんぱく兄弟離れ離れに。一人かくれんぼの切なさ。
田舎の風景。素朴ないい話。
本来ならフレディ・マーキュリー命日に「ボヘミアン・ラプソディー」を観る予定だったが、この三連休は風邪をひいてしまい大事をとって家でおこもり良造してました。

というのも木曜日の晩、ちょいと寒かったのでエアコンつけて寝床についたのだが、夜中にあまりに顔が冷たいのとお腹が痛いので目が覚めて、よく見たらエアコンが除湿冷房になっていましたとさ、チャンチャン!

で、休日はずっと寝ながらDVDをちょこちょこ観ていた。アトランダムに。

まずは昭和12年、清水宏監督の児童映画「風の中の子供」。

原作は児童文学の大御所の坪田譲治。

出演は、河村黎吉と吉川満子と坂本武、そして岡村文子と松竹の第一級の助演スターが勢揃いしている。

そして子役たちは、爆弾小僧にアメリカ小僧に突貫小僧と……まるで妖怪でそんなのいそうな名前ばかり(笑)

この中で昭和・平成と息長く活躍したのは元祖の突貫小僧こと青木富夫ぐらいなのでは。

やんちゃ盛りの善太と三平の兄弟は、ある日、父親が私文書偽造の疑いで警察に逮捕されたことで、三平が親戚の家に引き取られてしまい別々に暮らすことになる。

三平は引き取られた先の庭の木によじ登って自分の家がある方角を眺め、片や兄貴の方は誰もいない家の中でひとりでかくれんぼをして寂しさを紛らすのだった。

……というあらすじ。このひとりかくれんぼがかなり切ない。

自分自身で「もういいかい?」「まあだだよ」「もういいかい?」「もういいよ」と繰り返すこのむなしさが胸を打つ。

清水監督は同時代の小津監督のようなエキセントリックさは抑えていて、あの写実的なあたたかみのある演出が魅力的のように感じる。

ラストの「お父さん」連呼もホンワカしていて好きである。

本筋とはずれるが、三平を引き取った叔父さん(坂本)が山村の医者なのだが馬に乗って往診するシーンがある。

私事で恐縮だが母方の祖父が戦前、宮城の山奥で医者をやっていて、馬で往診していたという話を聞いたことがあり、ああお爺ちゃんもこんな感じで回っていたのかしらとふと頭によぎった。

■映画 DATA==========================
監督:清水宏
脚本:斎藤良輔
音楽:伊藤宣二
公開:1937年11月11日(日)
マ

マの感想・評価

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いい時代…では決してないがこの映画の中の子供になりたいと思った
イシ

イシの感想・評価

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子どもがわいきゃい言い合ったりしてんの面白いと思う。なんかええなあ、って気持ちになるところが色々ある映画。
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