海猫

リトル・プリンセス/小公女の海猫のレビュー・感想・評価

3.4
最近、バーネットの原作小説を読んだ機会に鑑賞。読んだ直後なので気になる点がいくつかあった。主人公セーラの風貌の特徴や性格が違う。イギリスが舞台の話なのに、アメリカが舞台に変えられている。父親はダイヤモンド鉱山に投資をしていたのに、戦争に行ったことになっている等。しかし原作のテーマは表現できているし、大方の展開はちゃんとなぞっている。なので改変した箇所があるとはいえ、納得できる内容。100分弱で忙しない作りでもないのに多くのことが、語られているのも買い。おそらくは児童よりに作られたであろう作品と思うが、手堅く格調ある演出や音楽、美術が素晴らしく、お子様ランチになっていない。映画として見栄えがしっかりしているのが良い。裕福な少女が小間使いまで立場が堕ちてしまう展開などは、落差が上手く描写されていた。クライマックスが軽い活劇調になっているのにはハラハラするし、原作より幾分かマイルドにはなっているけど、ハッピーエンドはやはり気持ちがいい。
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