真田ピロシキ

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.4
軽く見れそうなのを見ようと思ってそう言えば映画鑑賞再開してからまだゲーム映画を見てなかったなと思い、前に見た事あってちょうど原作のリメイク発表されたこれがうってつけかと。このシリーズは滑らかな動きが特徴のクラシックなやつと吹き替えがダメダメな2008年版しかやった事ないが、その程度の知識しか持ってないのであればそれっぽく思える映画化。ゲーム映画にありがちなチープさもなくて普通のアクションアドベンチャー映画として見れるだけでもゲーマーとしてはありがたい。このレベルを先に見ただけに似た素材を扱ったアサシンクリードには結構期待してガッカリさせられた。

様々な要素があってどれも卒がない。貧民街から拾われ王の養子となった若者の兄弟との絆であったり、勝気なプリンセスとのロマンスだったり、蛇を使うのが大好きな暗殺者集団との戦闘、時間を巻き戻すファンタジーといった風にバラエティー豊か。どれも手堅く楽しめる内容なのだけど、絶対に濃い味にはしないと決めてるかの如く薄味。確かに父の言う偉大な戦士にはなったが平民の王子という設定は必要だったのかと思うし、兄弟仲も死ぬ間際にばかり強調された感があってそこまで心が動かされない。信じさせるためにやった行動とか惜しいんですよ。兄が自分を嫌っているわけではないという事を信じてやったのは分かるんだけど。ロマンスも嫌いではないがイチャつくのはもっと後にしろよと突っ込まざるを得ない。ラブコメか。パルクールみたいなそれらしいアクションはあり、ナイフ投げお兄さんと暗殺者とのバトルなんかは手に汗握って面白いのだけれどそういうアクションがメインディッシュという訳ではない。映画の柱となる部分が何なのかよく分からなくて記憶には残りづらい。多少完成度は下がってもこの作品はコレ!といった個性があった方が刺さる。まぁ、ゲーム映画の場合は基本的に完成度が低いのですけど。

タイトルになっている時間の砂だがあんなに長い時間は戻せないって言ってませんでしたっけ。何か見落としたかな。何でもアリな感じがしてアレもやや納得行きませんでした。復活展開が嫌いなのも大きい。あまり良い事を書けませんでしたが決して嫌いではないです。むしろ割と好きな方と言える。