たらこパスタ

ルー・リード/ベルリンのたらこパスタのレビュー・感想・評価

ルー・リード/ベルリン(2007年製作の映画)
5.0
このライブを映像で観られることがとても嬉しい!!!
ライブドキュメンタリーとしての感想というよりはいちファンの止まらない感激を書き連ねたものになってしまいましたが以下感想を書こうと思います。

去年の年末にsongs for drellaを観て、そこからLou Reedさんの曲に夢中になりアルバムを聴きあさる日々でした!!!
ベルリンはその中でも個人的に好きなアルバムで、だけど憂鬱さや悲痛さの迫り方が鮮やかなためあまり回数は聴いていない作品でした。

アルバムで聴くとCaroline says IIあたりからどんどん元気がなくなって絞り出すようになっていく声が印象的で、背景事情などをあまり存じ上げないですし根拠のない妄想ですが30年近くパフォーマンスしていなかったことに妙に納得してしまいます。

ライブ映像で観るLou Reed さんの歌は、語りかけるともぼやくとも思える歌唱スタイルはやはり魅力的で、なおかつ目線の奥に物語を内包しているような雰囲気を感じて本当に魅力的でした!!!
スタジオアルバム「Berlin」はコンセプトアルバムの形式で語り手と語り手の周辺人物のCarolineやJimとの思い出の精算と再出発が語られます。スタジオアルバムではこの憔悴する語り手と語り手に声を乗せるLou Reedさんがかなり強くオーバーラップしていくような印象を持ち、緩慢な時の流れに無視されながら傷心していくようにも思える語りがとても生な感じがしていました。そしてアルバムではラストのsad songのメロディがもつ前へ駆動していくようなイメージに無理やり歩幅を乗せることができたような感じに思えたのですが、ライブ映像ではさまざまな視点の再出発を俯瞰して後押ししてくれる語り手の存在が感じられるような印象で、アルバムとはまた違う魅力でした、もう感無量です
この印象の違いは昔よりも面で触れるような声で歌っていることとかパフォーマンス映像を観ていることなども要因としてあると思いますが、30年パフォーマンスしてこなかった楽曲をついにパフォーマンスするに至ったということはそういうことなのかなぁとなんとなく思って観ていました。

lou reedさん以外にもステージにいる人に度々焦点を当てるカメラワークが素敵でした。

Berlinからの10曲の後の3曲のパフォーマンスもグッとくるものでとても充実した約90分を体験できました!!!
たらこパスタ

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