よしまる

活きるのよしまるのレビュー・感想・評価

活きる(1994年製作の映画)
3.7
オンライン鑑賞会のお題にて。

これは自分の推薦作。中国映画はあまりお題に上がらないのと、「さらば、わが愛/覇王別姫」がめっちや好きなので、これもまた感動できるのでは?と、トライ。

結論から言うと、丁寧に作られてそれなりにドラマチックなのだけれど、なんか違う。
そもそもが金持ちのボンボンが、賭博に走り勘当され無一文からのスタート。という同情の余地のないところから物語が始まるのが、うーん笑

ボンボンから借金のかたに土地を奪った富豪に天誅が下ったり、自分の息子や娘に悲劇が訪れたりと、まあ次から次へと色んなことが起こる、まさに「数奇な運命」。

普通なら翻弄される主人公に一喜一憂してハラハラするところだけれど、中国共産党の歴史に詳しくないので、一文無しになったばかりに富豪が処刑されて助かったり、共産党として認められて余生を無事に送れる反面、家族には災いが降りかかったりするのが一体どういう縁、(あるいは演出上で言うと意図、)で起こっていったのか理解しきれなかった。

すべてが偶発的に生じただけで、ただそれだけで数奇な運命として語られ、そしてめでたしめでたしで締まって良いものか?実話でもないならなおさら。

それぞれのエピソードや演出は面白く観れただけに、縦軸が理解出来なかったことが(もしくはそんなものないなら尚のこと)、覇王別姫のようなカタルシスを得るには程遠く感じてしまって残念だった。もう少し歴史を勉強したほうがいいのかもね。