ノッチ

ポリス・ストーリー3のノッチのレビュー・感想・評価

ポリス・ストーリー3(1992年製作の映画)
4.5
香港警察の刑事チェンは、国際警察からの極秘プロジェクト依頼で中国へ向かい、中国保安隊の責任者ヤン部長に会う。

彼らは巨大麻薬シンジケートの証拠をつかむために、身分を隠し組織の奥深く潜入する。 

『ポリス・ストーリー』3作目。

香港のスーパーコップのジャッキーが本土の警察と協力して潜入捜査していって、みんなで相変わらずの命がけアクションをしていく話。 

前2作では監督、脚本をジャッキーが兼任していましたが、本作はスタントマン仲間のスタンリー・トンが登板。

よって作品のトーンが若干変わってます。

1の雰囲気はなくなっちゃったけど、これはこれでおもしろい。

というより、ジャッキー・チェン作品の中では内容的にも、時間的にもなかなかベストな作品。

約90分間の映画にしてはかなり濃い内容で、尚且つそれなりに充実している作品です。 

笑いあり、アクションの質も高く、ストーリーもしっかりしている。

今回の舞台は香港・中国・タイ・カンボジア・マレーシアへと展開していく。 

中国への香港返還を意識した内容になっており、アクション場面も脱獄、中国本土での地元警察との乱戦、香港への海上密入国、麻薬王アジト強襲、ボスの情婦奪還、クライマックスと息つく間もないほどテンコ盛り。 

全体的にカンフーでの肉弾戦シーンが少なめで、ジャッキー映画にしては銃撃戦多めでちょっと残念でしたが、それを補うかのようにヘリやらバイクやら電車やら車やらを使ったアクションシーンが多く、しかもかなりのクオリティ。

しかしこの映画、一応設定上は香港警察と中国警察が手を組むことになってますが、中国警察は全く関与せず…。 

おとり捜査なので仕方ないといえば、仕方ないんですがちょっと厳しいですね。 

この手のおとり捜査は人間不信を招きます…。 

また、この映画はミシェール・ヨーの存在が相当に大きいです。 

ジャッキーだけなら3作続いたこの『ポリス・ストーリー』もこの辺りで飽きていただろうけど、ジャッキーに劣らず体を張ったアクションを女性ながら見せてくれる彼女が、作品に新しいスパイスを加えてくれています。 

というわけで、見所はもちろんミシェール・ヨー。

ハリウッド体制など、映画制作システム的なこと以外では唯一と言って良い、ジャッキーを喰った貴重な役者(しかもアクションで!)。

バレエダンサーのような体の柔らかさ、それがないと繰り出せないような技が見られて感心きわまり。

ミシェール・ヨーって、若い頃バレエダンサーを目指していたそうだから何か納得です。 

バイクで走ってる電車の上に飛び乗るシーンにはびっくり。 

ヘリについてたはしごにつかまるジャッキーも「さすがプロだなぁ」って感じがします。

エンドロールでNGシーンを見ると心配してしまいました。 

そして…いつも通り恋人メイが足手まとい。

こういうのは微笑ましい…とは思うんですが、おしゃべり・はしゃぎすぎは不幸を招くということ。

口は災いの元なんて良くいったもんだ。
ノッチ

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