TakahisaHarada

フットルースのTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

フットルース(1984年製作の映画)
4.1
転校生レンを中心に展開する、都会と田舎のカルチャーギャップ、世代間の対立、子離れできない親とか、色々な要素が入った青春映画。
観始めの印象はオープニングのかっこよさと、とにかく若いケヴィン・ベーコン笑
レンが皆に一目置かれるきっかけになるトラクターでのチキンレースで、レンを勝たせたのがタイトルとも関連する「靴紐」というのが出来すぎなくらい良くて、一気に引き込まれた。

曲が良いから楽しく観れたし、大人対子どもも、父対娘も、どちらかをやり込めるわけじゃなく歩み寄りが描かれていてとても良い。後で知ったけどダンス禁止令実話なのすごい。

エリエルは父への反発なのかかなり無鉄砲な人物。2台の車の間に立ったり、列車の前に突っ立ったり、どっちも過激で時代を感じる描写。特に車の間に立つ方はジャン=クロード・ヴァンダムの前に君がいたのか…って感じ。
息子を亡くしている父ショーの苦悩(娘を信じきれず一人立ちさせられずにいる)も伝わってくるし、「話し合わなくなったわけではない、ただ、話すことがない」という言葉も刺さる。
教会や家で腹を割って話すシーンを経て、エリエルの「パパと信じることは違っても、パパを信じてる」、父からのコサージュという展開が良かった。

レンの家もエリエルの家も厳格な父(レンは叔父)と理解ある母という組み合わせで、この映画に限らず何となくステレオタイプな家族像という気がするけど、ショーの言葉を借りれば母の方が我が子を信頼していると言えるのかもしれないなと思った。レンの叔父のように父の方が自分本位で世間体を気にしすぎているというのもあるかも。

ウィラードは踊れず酒に逃げてるシーン、躊躇しつつもラスティのもとへ行くシーンが良いし、ダンス練習シークエンスとその成果が見られるラストも良かった。
サラ・ジェシカ・パーカーが演じてるラスティ、卒業パーティーの夜の「ケンカしないでよ」から即「ブッ殺して!」はさすがに面白すぎる。