TakahisaHarada

ちょっと思い出しただけのTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
3.6
照明スタッフとして働く照生の誕生日7/26を2021年から2015年まで遡りながら、出会いと別れや夢と挫折を描く。
点と点が繋がっていく面白さはあったけどトータルで見たら薄味な気がしてしまって(誕生日とはいえ毎年7/26に都合良く劇的なことは起きない…)、似たような構成の「ボクたちはみんな大人になれなかった」を観たときに近い感覚だった。

序盤のコロナ禍描写は、自分もタクシーでまったく同じような会話(夜は客がいなくて厳しい)したし、同じように千駄ヶ谷あたりでオリンピック本当にやるんだと思ったし、懐かしいなと思いながら観ていた。
タクシー車内の描写から照生が観てる「ナイト・オン・ザ・プラネット」とか、舞台照明からタクシーのヘッドライトとか、繋ぎ方がおしゃれ。

年号は、気付いたときの爽快感を味わってほしいし、マスクの有無、キャストの衣装とかで気付いてもらえると思ってあえて入れてないらしい。
https://tvbros.jp/movie/2022/02/10/28847/
観ながら7/26が金曜なの何年だっけ?と思ってカレンダーアプリを開いたら昔の予定が色々出てきてこっちもちょっと思い出す体験をしたのもあって、まったく意図したものではないだろうけど(劇場じゃ無理だし)、個人的には年号なしが良いなと思った。

2人が一番仲良かった2017年が好きで、特に寝起きのサプライズのシーンは2人とも可愛くてずっと見ていられる良さがあった。
ラストのベランダでのニューヨーク屋敷登場しかもパパは笑った。舞台の打ち上げだけが出会いのシーンだと思ってたけど、居酒屋の外での一服も運命的な出会いのシーンだったんだな…。