TakahisaHarada

シャッター アイランドのTakahisaHaradaのネタバレレビュー・内容・結末

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

犯罪者たちが入院する孤島の精神病院から逃げ出した1人の女性患者をめぐるミステリーかと思いきや…という作品。序盤からテディも何か問題を抱えていそうな描写が所々出てくるので、ニューロティックスリラー的な展開かも?と思えるけど、病院側も怪しさ満載で惑わされるし、最後に明かされる真相も想像以上に壮絶…。観てる自分も真実を受け入れたくないと思ってしまう、「メメント」とか「インセプション」とかを観たときに近い没入感があって良かった。

真相を知ってから観返すと、色々なところにそれを暗示する描写が散りばめられていてすごい。
チャックが銃を渡すときに手間取った挙句ホルスターごと渡してるのとか、テディが病院にやってきたときの老女の「内緒だよ」みたいな仕草とか、捜索隊や職員たちのやっつけ感にも意味があるし、2人の患者に取調べするシーンもレディスの名前が出て2人とも動揺してるのとか、「シーアン医師」について聞いてるときのミセス・カーンズとチャックの様子も後で見るとなるほどと思える。

「ベイビー、びしょ濡れだよ」も意味が分かると切ない…。
テディの過去が明かされて終わりではなくて、「どっちがマシかな? モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」というセリフで締められてるのもすごい。直前のチャックとの会話が演技だったのゾッとするし、廃人同然になっても構わないから解放されたいというテディの選択を見て、改めて計り知れない苦しみだったんだと気付かされるラストで良い。