玉生洋一

ボーン・アイデンティティーの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

記憶喪失の男。
自分が誰かわからないのに
体が勝手に動いて格闘で人を倒したり、
店に入れば非常口の位置や室内の人数をすばやくチェックして
観察で各人の身元を割り出したりしてしまう序盤のシーンがおもしろい。

記憶喪失なのに常人離れした能力を持っているという点がおもしろいのに
中盤から終盤まではその面白さがあまり発揮できていない印象。
アクションは満載なのだが
カーアクションがいくら派手でおもしろくても記憶喪失とは
無関係なので独特のおもしろさとはいえないのがもったいない。

「記憶喪失の面白さ」と
「追う側は記憶喪失なことを知らないというすれ違い」
の2点だけでとことん攻めてもよかったのでは。

終盤で記憶喪失になるきっかけの事情が判明するところが見せ場だが
「AAAだと思わせておいてBBBだった」の「AAA」の部分がないのがもったいない。
「そうでしょうね」という感想になってしまう。

アクションシーンはどれもハイクオリティ。
個人的に一番盛り上がったのは、序盤の高所で壁にはりつくところだけれども。

※2021 プレミアムシネマ4K。