このレビューはネタバレを含みます
小津監督のギャング物
2009年11月21日 15時27分レビュー
1933年サイレント映画、原案監督小津安二郎。
初期小津の珍しいギャング物。ハイカラな衣装
アメリカンな雰囲気と小道具見所です。
スーツに帽子、コートな強面岡さん。
彼の「ズベ公」こと田中絹代。
二人の粋なカップルに惹かれる若造に初期小津常連の三井さん。
ボクサーで風来学生。
彼を支えるしとやかな姉、水久保さん。
そんな四角関係の物語。
カメラマン助手に後期小津撮影を支えた厚田さんクレジット。
カメラワークが激しいです。
ガンガン移動ショットあり。
あんまり効果的な感じじゃありません。
恋愛トークも珍しくベッタリしたラブトークです。
非常線の女こと田中絹代さん。
ふっくらしてて、若々しいんでございます。
そして初期小津作品はサイレントですがドラマ的に激しい感情衝突が度々起こります。
後期に見られる淡々とした時間や空間がありません。
ワァッーと感情がぶつかる感じなんですよね。それがビックリです。
恐らくですが警察官の中に笠智衆さん発見。
ビリヤード、バー、ボクシング、某電気会社の犬!などを散りばめた小津的世界観。
小津ファン必見のギャングコスプレ風青春恋物語。
物珍しい印象でしたぁ。
追伸
田中絹代がオアシズこと光浦靖子さんの目に見えることがあります(ニコニコ)