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ディア・ハンターのsayaのレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
4.3
人からのおすすめで観賞。

冒頭の結婚式や日常を描いたシーンは一見長く退屈にも思えるけど、これがあるからこそ中盤からの戦争シーンやPTSDに苦しめられるその後の悲惨さが際立って感じました。

この話ではロシアンルーレットが重要なキーワードになっていて、かつそのインパクトがすごい。
視覚的にというより精神的にめちゃくちゃキます。

戦争中、ロシアンルーレットを利用してかろうじて助かった命だったけど、結果それが原因で心を壊し、最終的に結局そのロシアンルーレットが命を奪ったという相反性に思わず唸ってしまいました。

ニックやマイケルたちロシア移民がアメリカ人としてアメリカの正義のために徴兵され消費されていった戦争の虚しさは勿論、
狩りの一発とロシアンルーレットの一発、それを踏まえてタイトルの「ディアハンター」の意味についても色々考えさせられる作品だったと思います。

何よりロバートデニーロとクリストファーウォーケンの演技に圧倒される。
特にラストのクリストファーウォーケンの表情は、最初の気のいい青年だったニックとは思えないくらいの変化で怖いくらいでした。
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