MARUKO

ディア・ハンターのMARUKOのレビュー・感想・評価

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
4.7
一番のハンターへ。
"我が国至上最大の抗議"
誰1人として……

戦争がもたらすのは、変化のみ。
親友のかつての単なる悪ふざけも。
「家に帰りたい」というただの願いも。
撃てたはずの鹿。
男らしい"あの言葉"までも。
なにもかも。変わってしまった。
戦争、war、guerra、война、La guerre……
たった、数文字のこの言葉たちに、60億の人々の暮らしだけじゃなく、その命一つ一つの心まで変える力がある。

彼はもう、そうしたかったのかもしれないね。
やっとこのときが来た、"強い"君のおかげで。

戦争映画。ほんとに観ていて楽しくないし、心拍数が如実に上がっていくのを、緊張しながら感じて、辛く苦しくなっていくだけ。
でも、その存在意義を、「映画が持つ、伝える力の大きさ」が物語る。
忙しない心臓が、伝えてくる。

勝つものと、負けるものと、違いを考えてみたりした。生き延びるって、どういう事か。愛?勇気?いや、愛や勇気があっても、”弾が合えば”終わり。
運でしかなかった。常に死と紙一重。
無事帰ってきた!おかえり!
おかえり?こんな無意味なもの始めなければ、おかえりなんて初めから無い。
後には、喪失しか残っていない。

p.s.2滴。
防空壕に投げ込まれた爆弾が、脳裏から離れない。
MARUKO

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