【連合赤軍事件を扱った映画として秀逸】
1970年代初めの連合赤軍リンチ殺人事件に題材を得た映画であるが、当時の左翼学生運動を扱った作品としてよくできている。
あの時代の学生運動をテーマとした映画では先日「突入せよ! あさま山荘事件」が公開されたが、作品の出来では「光の雨」の圧勝と言えよう。何より、劇中劇の形式をとっていることが成功につながっている。
もともと陰惨な事件が題材なので、そこに距離をおくということと、若い俳優があの時代の学生にとりついていた観念と自分なりに対決・対話を行う、という二つの点で作品の重層性が確保されている。途中で全共闘世代である(劇中の)監督が失踪する、なんてハプニングも用意されていて、監督と俳優の世代的な距離もそれなりに表現されていたし、また若い俳優が演技するうちに全共闘的思考が一部乗り移ってきてしまうシーンも秀逸。