spe1111

アメリカン・ギャングスターのspe1111のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

実在したアメリカの麻薬王の話。まずは使われている曲が非常によい。JAY-Zの曲はもちろんいいし、劇中に流れるブルースもいい。最後にまさかのパブリックエナミーが流れるってのも意外性があってとてもよい。出演者にT.I.そしてコモン、RZAなどのアーティストも出演しているのもいいし、HIPHOP映画でよくあるストリートでの売人!という感じでもなく、本当にシリアスな実在する映画として迫真の演技を持って映像が流れていくので、内容も含めて非常に面白い映画だったと思う。麻薬の密輸方法が悪い意味でホント頭が良くて、直接ベトナム戦争を利用して軍機に密輸するというもの。末端に行き渡るまでに純度が下がり価格が高騰するなか、純度を維持しつつ直輸入することにより価格を抑えたドラック「ブルーマジック」を流通させ、家族ぐるみで組織を構成し、各界を買収するなどして完璧な対応をしていく、狡猾なギャングが描かれている。しかしそんな中、プライベートはアレだとしても正義感の高い刑事が捜査していく構成もいいし、結局麻薬の売買を独占した的な状態になり恨みを買って最後捕まっていく、そんなストーリーがすごくアメリカの社会のリアルを描いていてすごいよかった。中でも、最終的に麻薬王と協力し刑事もみかじめ料的な感じでギャングとつながり金をもらっていて、それが5割以上を占め最終的にそれが検挙された、といったところが、刑事の腐敗度や社会の闇を映しだしたようで、衝撃的だった。でも、実際、麻薬を売ってるから、ということで刑に処し最終的には解決したものの、原価を安く売り業界を独占した企業において、法に沿っているか、そうでないかの違いで政治家、企業はそのような側面は少なからずあるのではないだろうか。たたただ犯罪者という側面で考えてしまうには勿体無い、社会的にもエンタメ的にも優れた映画だな、と思った映画だった。
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