lanouvellelune

夕陽のガンマンのlanouvelleluneのレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
4.2
"This train'll stop at Tucumcari."
-
無駄なショットが一つもなく、無駄な音が一音もない。フレームの中に何を入れて何を入れないのか、どの距離で入れるのか、どういう動きで入れるのか、いつ入れるのか、全ての選択を支持する。
最近のハリウッド作品は自信がないために沈黙を恐れているのか、観客の集中力の低さを憂えているのか、とにかく常に曲が流れているイメージだが、ドラマを構築するためには現在の主流に比べて種類と使用箇所をもっと限定するべきだと思う。抑揚とtension-buildingを摂取する人間として、本作はテキストブックというか、これを観ずに映像作品を作っている人がいるとは信じたくないというか。filmというよりcraftですわ。
-
顔、目、頬、口、手、すべてがストーリーを語っている。特に目 —— 無音のなか目が左右上下に微かに振れるたびに歯車〈はなし〉が展開する感じがして、「うわうわうわ」と。'Once Upon a Time in the West' を観ていて思ったことでもあるが、レオーネの撮り方には「効果的」という言葉が本当に似合う。エクストリームクローズアップショットからエクストリームロングショットまで、それらのチョイスとテンポに明確な意図が感じられる。
-
ヴァン・クリーフの髭に人格が宿っていた。
lanouvellelune

lanouvellelune