モールス

夕陽のガンマンのモールスのレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
4.5
ストーリーが傑出して良いわけでなく、西部劇のアクションが極て迫力あるわけでもありません。それぞれに高水準であるのは間違いないのですが、本作で際立つのは音楽です。あの口笛やギターで奏でられたメロディが、とにかくカッコ良いのです。クリント・イーストウッドが馬に乗り荒野をさすらう姿に実にマッチしております。
映画は娯楽とも言いますが、総合芸術とも言われます。本作の音楽は芸術クラスだと思います。何せ音楽担当はエンニオ・モリコーネですから。

本作はマカロニウエスタン(ヨーロッパ製ウエスタン)の代表作と言われておりますが、それ以前の西部劇と比べると拳銃を撃つ頻度や街の悪党どもの数が極端に多くなってます。
どアップで映る主人公のショットは、かなり男臭いし最近の俳優にないワイルドさがあります。相棒役のリー・ヴァン・クリーフのほうがアメリカ本土の西部劇の登場人物らしかったと思いますよ。とにかく、この二人が強いのです。クリント・イーストウッドが後のアクションスターたちに、ド派手なアクションの影響を与えたのでしょう。だってジョン・ウェインの時代では、銃はここ一番にしか使ってなかったですから。その差は歴然です。

娯楽作品としてかなり楽しめると思います。男ならドンパチでしょう(笑)
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