娘を嫁にやる
話としてはただそれだけなんだけど
映像についてはほんのり緑がかった色味と、ところどころ挟まれる軍艦マーチが相まって娘を嫁にやる話が進みゆく寂しさにどことなく爽やかさを添えている
しかし、この時代に流れている空気感というか、この時代に生きていた人間の持つ雰囲気というか
この映画に出てくる老年の男たちのそれは
しかしだね、〜だがねとか
おまえ、そりゃあれだよ〜
そういう類の口調である
なんていうんだろうか
ときに言葉の端々に漂う自らの人生というものへの諦観だったり、他人へかける気遣いだったり、礼儀だったり所作の隅々にまで
大人っていいなぁ
父親になるってかっこいいなぁ
そう思わせてくれる映画である