ヨウ

あなたへのヨウのレビュー・感想・評価

あなたへ(2012年製作の映画)
4.0
とにかく高倉健さんの所作に、身を正す思いがしました。相手への感謝などがセリフがなくても動作から伝わる、これこそが日本人が本来持っていた佇まいだったのではと感じました。
旅と放浪の違いを、道程の途中で出逢う男に説明されるが、その答えがまた秀逸です。目的を持ったこの道程は、間違いなく旅なのでしょう。
妻にとって自分は何だったのか、自問しながらも、目的を果たした時、その答えがおぼろげながらも見えてくる。妻が最後の手紙に書いた簡素な言葉ながらもそこに込めた想いに、自分の死にずっと縛られないで、という紛れもない愛を感じました。
日本人の美徳でもある、言葉が少なくても人が人を想う大切さが伝わってきた映画でした。
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