Mariko

白鯨のMarikoのレビュー・感想・評価

白鯨(1956年製作の映画)
3.4
メルヴィルのあの原作にブラッドベリが脚本に名を連ねてる時点で、相当な肝入りで文芸作品を目指していたと思われる。台詞もかなりそういう方向性。

'56にしては特撮も相当頑張っているし、解像度が低いことも手伝って笑、空や海、船がところどころフレスコ画のような味わいにも見えたりして、全体像は悪くない。

けれど、この復讐心に囚われるあまり常軌を逸していく謎の船長エイハブが、グレゴリー・ペックなのがどうもね。精一杯頑張って狂気に取り組みました!感が漂っていて、私はグレゴリー・ペックかなり好きなんだけど、やっぱり演技の幅が広い人ではないことをあらためて感じてしまう。まあ誰にせよ得手不得手はあるしね、これはミスキャストじゃないかな。役にハマったらもうこの上なく素敵なんだけどなー。

航海士Starbuckがコーヒーを飲むシーンがないのは残念笑。

語り部であるイシュマール役の人(パッとしないユアン・マクレガーみたいな(酷))、どっかで観たことあると思ったらなんと!"La Strada" の綱渡りの芸人の人だった!!!
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