ゴリラ

南極日誌のゴリラのレビュー・感想・評価

南極日誌(2005年製作の映画)
3.0
南極不到達地点を目指す6人の探検隊
目指す途中で1922年に書かれたイギリス探検隊の日誌を発見する…
“南極”って付いてるけど、美味しい料理もかわいいワンちゃんも出てこない…
過酷な環境の中次第に狂ってゆく隊員たちを描いたスリラー

監督には『愛のタリオ』『ヘンゼルとグレーテル』のイル・ピルソン
脚本にポン・ジュノってことで観賞したが、同じくポン・ジュノ脚本の『海にかかる霧』とかなり近い印象の映画だった

そのコミュニティの中では絶対的な権力を持つ親父的な存在のソン・ガンホ隊長は、『海にかかる霧』のキム・ユンソク船長と被る。キム・ユンソク船長は船と共に消えていくが、ソン・ガンホ隊長は吹雪の中へ消えてゆく。生き残ったのが若者って点も共通してる。
ソン・ガンホのリアルな家族は息子の自殺、離婚により崩壊してしまっている。故に彼は探検隊に“家族”を求め、父性を固持しょうとする。結局理想(あるいはエゴ)を捨てきれずリアル家族同様に崩壊して行く。家族と住む“家”であるテントは破れ、小屋も崩れ去ってしまう…
“そこに到達すればどんな奇跡でも起こせる”と信じていた前人未到の場所は、既に誰かが到達していた単なる地点に過ぎなかった…(事前にヘリで不到達地点かどうか確認しなさいよ!)
自分の理想の居場所、家族を求めさ迷うソン・ガンホ…何とも悲しい後ろ姿…

何か自分の身近にもかなり似たタイプの人がいて凄く嫌いなんだけど、ちょっと悲しい気持ちになった…
狭いコミュニティの中で権力を固持しようとしたり理想ばかり求めて必死で、何か人に対して愛情を持てない感じ
いつかそんな人にも幸せはくるのか?それともソン・ガンホ隊長みたくたださ迷いつづけるだけなのだろうか…
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