満を持して鑑賞。
過去を遡っていくからこそ見えてくる残酷さ、皮肉。
冒頭で抜けたと思ったトンネルは、
闇の底から逆戻りしていく男の願いでしかない。
もうやめてくれと思いながら、
ゆっくりと巻き戻されていく列車に揺られ、
時代に翻弄される男の悲しみに沈んでいく。
なんか同窓会みたいなとこに突然現れ、
荒れ狂っているその男の言動から、
どうしたんだよ?と声がけしたくなるけれど、
大多数の旧友たちは気にせずに踊り続ける。
ただ一人リーダーだけはなんかわからないけれど、
悲しみに涙を浮かべて男を呼ぶ。
なんだクソ野郎じゃねーかよと思わせてから、
こいつは本当に死ぬべきだなとまで突き放しておいて、
その死ぬべきクソ野郎はなんで生まれたのか?
そこまで見せらるから本当にしんどい。
クソ野郎個人を責めることの難しさと、
暴力の連鎖がいかに社会にこびりついているか。
やり場のない悲しみに打ちのめされる。
あたかもタイムトラベルであるかのような作りがまた切ない。
【追記】
どうしても見たくて大昔に保存したHDDから引っ張り出して苦労してパソコンで見たんですけど、見た直後に今アマプラで見られることがわかりました…しかもリマスター版…おすすめです!