小津安二郎監督は私の呼吸のなかに入り込んでしまう、特別な監督。
まだ2本しか観ていないけれど。
どうして、60年以上前の作品が現代の作品より近く感じるのだろうか。
どうして、懐かしさを感じてしまうのか。
分からない。
小津監督の手腕なのか、その時代なのか。はたまた、俳優たちなのか。
私の言葉で小津監督を言うには、あまりにも私はお粗末。
小津さんの映画は大事件なんて起こらない。
必要ないのだ。
あの、狭い狭い世界がいとおしくてたまらない。
笠智衆の若返りように驚き、怒声をあげる姿に驚き、
小津さんが4番バッターだと言った杉村春子のさすがのおばさんと
東山千栄子のあのおばあちゃん像と、
原節子の新時代を象徴するかのような女性。
何もかも含めて、あの世界を愛さずにはいられない。
やっぱり、あの風船をみるとラモリスの赤い風船を思い出してしまいます。
センチメンタルになってしまう。ずるいですね、風船。