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麦秋のcollinaのレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
4.8
小津安二郎監督は私の呼吸のなかに入り込んでしまう、特別な監督。
まだ2本しか観ていないけれど。

どうして、60年以上前の作品が現代の作品より近く感じるのだろうか。
どうして、懐かしさを感じてしまうのか。
分からない。

小津監督の手腕なのか、その時代なのか。はたまた、俳優たちなのか。

私の言葉で小津監督を言うには、あまりにも私はお粗末。

小津さんの映画は大事件なんて起こらない。
必要ないのだ。
あの、狭い狭い世界がいとおしくてたまらない。

笠智衆の若返りように驚き、怒声をあげる姿に驚き、
小津さんが4番バッターだと言った杉村春子のさすがのおばさんと
東山千栄子のあのおばあちゃん像と、
原節子の新時代を象徴するかのような女性。

何もかも含めて、あの世界を愛さずにはいられない。

やっぱり、あの風船をみるとラモリスの赤い風船を思い出してしまいます。
センチメンタルになってしまう。ずるいですね、風船。
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