きんぽうげ

めがねのきんぽうげのネタバレレビュー・内容・結末

めがね(2007年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

これも異文化になるのだろうか、離島での生活。何もないところが魅力である場所。本人は煩わしさから逃れるため携帯電話の繋がらない場所であれば、どこでも良かったと訪れる。黄昏れるためにやって来る。例えば、現に島に移住してくる人、特に都会を経験している人たちが、何を思いやって来るのか。自分もどういうわけか島ばかり訪れる。その理由は空気だろうか。制限のない雰囲気。海の存在が大きいだろうか。広い空も必要だろうか。木々は?建物のない場所。
食事の場面が数多く出てくる。食材も現地直送。隣の家から海老の差し入れがあったりする風土。
朝になれば、「朝です。」というお知らせがやって来る。メルシー体操という日課でみんなで一緒に体を動かす。自然な動き。
自家製の梅干しが振る舞われる。季節は夏なのだろう。『かき氷』を作るためだけにやって来る。
いい加減さが良い加減とハンドメイドの地図で行き着けた人物がこの島に居付く。
生物の先生である市川実日子も遅刻など気にしないで、自分のペースで度々顔を出す。民家の主人との切っても切れない関係とは何であろうか?対照的な宿も登場する。その接し方が煩わしいと一度感じた主人公はその宿に移ろうとするが、その使役的な様子に一度見た瞬間、嫌けがさして元の宿に戻ろうと来た道をUターンする。そこに後ろに籠を載せた自転車に乗り込んだことが羨ましさの対象になったりする。元部下が後からやって来るのは、追っかけなのだろうか、妙にこの島の風土に順応してしまう。
翌夏再び彼女はやって来るが、かき氷のお礼として編んだ赤いマフラーを身に纏い。
フィンランドのアキ-カウリスマキ路線を行こうというのはありありなのだが、今の日本の風土では育ちにくいだろう事はその豊かさ故なのだろうが、貧乏と背中合わせの笑いが主であるので、合わないのは自明である。
すると、どの部分かというならば、『違う』というところに文化の存在があったのであろう。
きんぽうげ

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