Yukiko

赤ひげのYukikoのレビュー・感想・評価

赤ひげ(1965年製作の映画)
5.0
2021年9月19日
『赤ひげ』  1965年日本制作
監督、黒澤明。
この監督さんの『デルス・ウザーラ』という映画を観たい。

江戸時代。
長崎でオランダ医学を修め、江戸に戻ってきた保本登
(加山雄三)は、幕府からの辞令で配置先の小石川養生所へ
赴く。
小石川養生所の所長で通称「赤ひげ先生」(三船敏郎)は、
保本登に見習いとして住み込む事を命じた。


以前から観たかったこの映画、なかなかテレビで放映されない
ので(テレビだと日本語の映画も字幕で観ることができる)、
字幕がないのにも関わらず、前もってWikipediaでストーリー
展開を読み、折々、セリフを家族に聞きながら家族と共に
観た。

出演者の演技が素晴らしい!

狂人の座敷牢の女(香川京子)が、保本登をかんざしで
刺そうとする時の目つき、ゾッとするほど迫力があった。

昔の手術。麻酔がまだ無かった時代。
手足を固定させて、お腹を開腹。手術をする赤ひげ。
手伝っていた保本登は気を失って倒れる・・・・

胃がんで亡くなる人。
「医術の不足を補うのは貧困と無知に対する戦いである」
「病気の影には、いつも恐ろしい不幸が隠れている」

実力者から治療費だとして大金をいただき、最下層の
人々への治療費に充てる赤ひげ。

12歳の少女を保本登の最初の患者だとして面倒をみる
ことを、赤ひげから命ぜられ託される。
薬は手ではらい、食事のお茶碗も手ではらう。
熱があるのに、雑巾で床掃除をする・・・強情で、疑い深い、
人を寄せ付けない、すねた生き方の少女。

その少女に、かつての自分の姿を見出す保本登。

「貧困と無知さえ何とかできれば病気の大半は起こらずに
すむ」


いや、もう、すばらしいっす💛
赤ひげ役の三船敏郎さんは、もう完璧です。45歳の出演。
加山雄三さん、28歳の頃の出演。もっと若く見える!
フレッシュで、ちょっと頼りなくて、こんなに演技が
上手な人だったんだとびっくり。
「若大将」シリーズのイメージが強くて。

山崎努さん、志村喬さん、二木てるみさん、内藤洋子さん、
団令子さん、香川京子さん、東野英治郎さん、笠智衆さん、
杉村春子さん、田中絹代さん、西村晃さん、菅井きんさん、
左卜全さん、渡辺篤さん、

私が知っているだけでも、かなり有名な人がチョイ役で
出演なさっている。
この映画で羽ばたいたのかな。皆、演技がうまい。

黒澤明監督曰く、
「スタッフ全員の力をギリギリまで絞り出してもらう。
そして映画の可能性をギリギリまで追ってみる」と。
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