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溶解人間のblacknessfallのネタバレレビュー・内容・結末

溶解人間(1977年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんかこう精神的に疲弊していて感性が刺激を受け付けないから過去に観たのばかり観てしまう。ジョーダン・ピールの新作とか気になるけどポジティブなものでも強い刺激や驚きを受けたくないぐらい疲れてる。スキあらばRADIOHEADのNo Surprises流れてくるぐらい。

本作はもう2回目以降なら安心して観れるじゃん。展開はまったりしてるし、特撮も激安だし。それに当初はコメディホラーで製作してたのに途中で本格派ホラーに無理やり舵を切ったから、随所のその歪みである恐がらせたいのか笑わせたいのが判然としてない不可解なシーンが連発で、これが2回目以降だと驚きも困惑しないから生暖かい気持ちで楽しめるんだよ。有名な、生首が川にドンブラコドンブラコと流されてそれが滝に落ちるまで延々と漫然と撮り続けるシーンなんて、スーパーでかかってるチープなシンセでカバーされた有名曲みたいなマヌケでその生温さに癒される。

事故で宇宙線を浴びてしまった飛行士が怪物化してしまい人を襲うSFホラーなんだけどタイトルどおり、この飛行士、だんだん体が溶けちゃうんだよね。そう溶けちゃうからやがて手足も頭も無くなり使い倒されたボロ雑巾みたいになっちゃって、最後は掃除のおじさんに「なんだ、これ?きったねーなー」と舌打ちされる感じでポイっとダストボックスに捨てられて終わっちゃうんだよ。

おそらくホラー映画史上最も投げやりでしょうもないオチなんだけど、そのしょうもなさは衝撃的で本作をカルトとして語り継がせることになってる。

今観るとしょうもないけど、これ普遍的哲学的な真理を描いてると思ったね。
この飛行士も怪物化して人を襲ってブイブイいわせ都市を恐怖させ、ある意味輝かしいスポットを浴びたわけなんだけど、結局最後は塵になり無になるわけで、実は宇宙線浴びなくてもみんな最終的に塵になり無になるんだよ。ダストボックス捨てるられるか葬式をしてもらい骨壺⚱️に入れられるかの違いしかない。どっちにしても本人は後のことはわからないじゃん。つまり本作には人を悼むのは生者の都合でしかない。ダストボックスとは言わないまでも墓や葬式に過度に拘るなというメッセージがある。

つまり安倍の国葬なんか本当に必要のないことだってことなんだよ。それに価する功績がないどころか私欲から権力を濫用し民主主義を歪め国を衰退させた悪人中悪人だからな。安倍こそダストボックスが相応しい。
国葬をやって神格化したいのだろうが1度の国葬で塗りつぶせるほど生易しいものではないよ、安倍の罪は。
無理ゲーの茶番だとバレている。外務省の弔問招待を打診された各国の主要人物達がスルーしまくってることがそれを如実に物語ってる。
金払いがいいだけの三下なんかに興味はない、空になった財布に用はないってことだろう。国葬なんてしなければ「国際社会で信用がある」だの「外交の安倍」というでっち上げが嘘だとバレることもなかったのにね、安倍がかわいそうじゃん笑
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